国立科学博物館が収蔵する新種のクジラの頭骨標本レプリカの販売を開始!研究者にSNSで質問キャンペーン実施のお知らせ!

プレスリリース:メディア関係者各位

概要

博物館はもっと面白い

2021年(令和3年)5月18日より、一般社団法人路上博物館(所在地:東京都文京区、代表理事兼館長:森健人、以下「路上博物館」と記載)は新商品「3Dプリントレプリカ(以下、「3DPR」と記載)」のモデル「クロツチクジラ(標本番号:NSMT-M62850)」(以下、「本商品」と記載)の販売を開始いたしましたことをお知らせします。
3DPRは、全国の博物館に収蔵された標本をフォトグラメトリーと呼ばれる技術を使い3Dスキャンしたデータを3Dプリントした精巧な標本レプリカです。当法人では独自に3Dモデルの製作から3Dプリントまでを行い、研究者や専門家だけでなく一般の方でも入手可能な本格的な標本レプリカの商品開発を行っています。
本商品で販売するクロツチクジラは、北海道オホーツク海に生息するクジラです。2019年に国立科学博物館動物研究部、北海道大学大学院水産科学研究院ならびに同大国際連携研究教育局の研究グループ、合衆国自然史博物館海棲哺乳類部門の研究者らが発表した論文で新種として記載されました。現状(2021年5月)では、国内で最も新しいクジラの種になります。

また本商品はクロツチクジラのタイプ標本の3Dプリントレプリカです。タイプ標本とは、新種記載論文中で種の記載に用いられた標本のことで、種を同定する基準となる大変重要な標本です。本商品の元となった標本は国立科学博物館に収蔵されています。
クロツチクジラに関しては、タイプ標本のレプリカが一般の方でも購入可能な形で販売されるのは世界初のこととなります。

研究者にSNSで質問キャンペーンについて

本商品の販売に合わせて「研究者に質問キャンペーン(以下、「本キャンペーン」とする)」を2021年6月1日0:00から2021年6月27日23:59までの約1ヶ月間実施することといたしました。本キャンペーンでは、Twitter上でハッシュタグ「#クロツチ3DPR」をつけて投稿した内容に対し、一般社団法人路上博物館の公式アカウントから返事をするというものになります。
本商品を通じて、ソーシャルディスタンスを保ったまま多くの人が博物館標本から得られた気づきや疑問を共有できる機会を創出することで新たな博物館の楽しみ方を実現したいと考えております。

背景

昨今の国内博物館は経済的に非常に厳しい状況にあります。日本博物館協会が実施した令和元年度の調査によると、国内の博物館の内で年間の資料購入予算が無い(0円)の博物館は全体の約6割になることが報告されています。この傾向は近年継続しており、年々こうした博物館の研究活動で使える予算は減少をしています。
また、文化芸術推進フォーラムの報告書によると、令和2年の博物館の入館料収入はマイナス54.1%と半減以上の影響をうけています。これは飲食業のマイナス26.6%の倍以上の影響であり、他の業界と比較しても大きな打撃をうけていることがわかります。

こうした状況に対し、当法人では国立科学博物館と契約を結び、売上の一部を博物館に還元する仕組みを構築しました。本商品の購入を通じて経済的に厳しい状況にある博物館を支援することができます。

当法人では今後、こうした取り組みを行う博物館を増やし、取り扱う標本の種類も充実させることで、博物館が直面する課題の解決に向けて貢献していきます。

商品紹介

商品の特徴

3DPRでは当法人の館長であり、理学博士でもある森健人の手によって縮小しながらも実際の標本の形状を可能な限り再現することを目指して開発されました。また小型化することで飾りやすさの追求をしながら、全体的な製造コストの削減を行っております。
標本の特徴としては以下の2点があげられます。
1.噛み合わせ
実際の標本ではサイズの大きさや重量などから、気軽に動かすことができません。当商品は小型・軽量なので触りながら動かしやすい特徴があります。それが最も体験できるのがかみ合わせの確認です。
2.歯と頬骨の再現
本商品を開発する中で、クロツチクジラの特徴的な下顎前歯と頬骨の再現には特にこだわりました。

商品概要

パッケージ_クロツチ_完成版

商品名:3Dプリントレプリカ(レジン)
モデル:クロツチクジラ(標本番号:NSMT-M62850)
価格:定価2,800円(税別)
材質:レジン
サイズ:本体(60mm*45mm*30mm)
カラー:ホワイト、グレー、クリア
※色はランダムです
販売ページ:オンラインショップかねろ
(一般社団法人路上博物館公式オンラインショップ)
販売ページURL:https://kanero.shop/items/609c94addf62a910cc65c418
お取り扱いいただけるミュージアムショップや販売店を募集しています

#クロツチ3DPRで研究者に質問してみようキャンペーン概要

対象:Twitter上でハッシュタグ「#クロツチ3DPR」がついた公開投稿
キャンペーン内容:一般社団法人路上博物館のアカウントから「いいね」「リツイート」「返信」などいずれかのリアクションを行います。特に明確に疑問文になっている投稿に対しては可能な限り返信を行います。
時期:2021年6月1日〜2021年6月27日 23:59の投稿まで
※ツイート内容や規模によって返信まで時間を要する場合があります
注意事項:以下に該当する投稿に対してはリアクションを行いません
・公序良俗に反する内容の投稿
・特定の対象を貶めるような内容の投稿
・日本語以外の言語の投稿
・支離滅裂な内容の投稿
・鍵アカウントでの投稿
・その他、当法人で不適切と判断した投稿

一般社団法人路上博物館とは?

一般社団法人路上博物館は2020年5月18日(国際博物館の日)に創業した非営利法人です。「博物館はもっと面白い」をビジョンに掲げ、一般の方へ博物館の面白さを伝える展示やイベント開催、商品開発などの活動と、最新テクノロジーを用いた今よりもっと面白い未来の博物館を作るための製作やコンサルティングを行っています。
特に博物館標本の3Dモデル活用に関しては多くの実績を持っています。
2020年には、国立科学博物館の収蔵標本を3Dプリントした商品を販売するクラウドファンディングを通じて600名以上の方から計760万円の資金を調達することができました。
他には、株式会社NTTドコモと国立科学博物館が協同で実施したxR技術の実証実験への3Dモデルの提供や、渋谷にあるFabCafeTokyoにて展示会「The Shape of Bones」などを開催してきました。
また、国内ではトップクラスの博物館標本の3Dモデルを公開実績を持っています。路上博物館のSketchfabアカウント上で公開されている3Dデータの一部は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されており、非営利利用であれば誰でも自由にダウンロードして利用することが可能です。

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画像素材

本プレスリリースを引用する際の画像はこちらのリンクのものをご利用下さい。なお引用される際は下記の表記をお願いいたします。
画像:一般社団法人路上博物館

路上博物館はSDGsに賛同しています

一般社団法人路上博物館ではSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)に賛同しています。3DPRはSDGsの中で「4質の高い教育をみんなに」「14海の豊かさを守ろう」「15陸の豊かさも守ろう」に対して貢献する取り組みです。

「4質の高い教育をみんなに」について

3DPRの取り組みを通じて、全国どこにいても同じ標本を観察できるようにすることを目指しています。路上博物館で全国の博物館をマッピングしてみた結果、人口密集地ほど博物館・美術館が充実していることがわかりました。その結果、人口密集地に住んでいる人とそうでない人の間に標本に触れる機会の格差が生まれています。
標本に触れる機会の格差があることは学習機会の不均等につながります。3DPRの取り組みはこうした格差を低減することにつながっています。

「14海の豊かさを守ろう」と「15陸の豊かさも守ろう」について

路上博物館では、海の豊かさ・陸の豊かさを守るためには一人ひとりが海や陸に対する興味を持つことが大切だと考えています。3DPRに触れることで海や陸で暮らす生き物への興味を引き出すことができます。また、動物の骨格はその動物の生き様を表しています。その生き様への理解が深まることは同時に、その動物たちの暮らしている環境への理解が深まることでもあります。
3DPRは生き物とその周囲の環境への興味と理解を深めることに役立つため、SDGsの海や陸の豊かさを守る目標の達成につながっています。

参考資料

クロツチクジラの発表プレスリリース(国立科学博物館)
日本博物館協会:令和元年度「日本の博物館総合調査」
文化芸術推進フォーラム:新型コロナウイルス感染症がもたらした文化芸術への甚大な打撃

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