丸岡歴史民俗資料館
基本情報
所在地:福井県坂井市丸岡町霞4-12
開館年:1978年
閉館年:2024年8月31日
展示されていた物
丸岡城主の馬具や甲冑などが常設展示されていたようです。また、代城主の本多氏、有馬氏ゆかりの武具や出陣旗、「舟寄踊」や「日向神楽」など丸岡の文化の紹介もされていたという情報がありました。
閉館理由
緑のgooコラムによると、丸岡城の東側に建設中の丸岡観光情報センター屋外エリアとして水盤が整備される予定で、それに伴い建物が取り壊されるため閉館したようです。建物自体も2024年の秋ごろに取り壊される予定であるとされています。
福井県坂井市の丸岡城天守のふもとにある市丸岡歴史民俗資料館が8月31日、閉館する。東側に建設中の丸岡観光情報センター(来春オープン)屋外エリアとして水盤が整備される予定で、建物は秋ごろに取り壊される。
市教委文化課によると、常設展示されていた丸岡城主の馬具や甲冑(かっちゅう)など史料は別の市施設で保管し、今後の公開は未定としている。
資料館は1978年に丸岡城築城400年を記念して旧丸岡町が整備した。
常設展示室2部屋には、歴代城主の本多氏、有馬氏ゆかりの武具や出陣旗などが展示されている。「舟寄踊」や「日向神楽」など丸岡の文化を紹介するパネルもある。
非公開の収蔵庫には、旧丸岡町の住民らから預かったびょうぶや古文書、鬼瓦などが保管されている。
緑のgoo「丸岡歴民資料館、8月31日閉館 福井県坂井市、史料の今後公開は未定」
残念ながら閉館してしまった一方で、坂井市の公式サイトによると、2019年4月12日の投稿で資料館はリニューアルオープンしていたようです。リニューアルから約5年で閉館となった点もまた残念な点です。
丸岡城築城400年を記念して昭和53年に開館した、丸岡歴史民俗資料館がリニューアルオープンしました。大規模な展示の入れ替えを行い、丸岡藩の歴史から民俗芸能にいたるまで、来館者にわかりやすいパネル展示へリニューアル。丸岡藩時代の政治・治水・文化などに関する展示コーナーでは、歴史の流れに沿って、丸岡の歩みをたどることができます。
坂井市公式サイト「歴史・文化を後世へ 丸岡歴史民俗資料館がリニューアル」
閉館の背景を調べるために、坂井市の市議会の議事録を検索しました。検索キーワードは「資料館」で検索結果を目視で調査しました。最も最近の坂井市の市議会の議事録で丸岡歴史民俗資料館について言及されていたのは以下の内容でした。議事録からはどういった文脈で「解体」という言葉が使われていたのかは読み取ることができませんでした。
三宅小百合議員:教育委員会所管では、理事者から丸岡歴史民俗資料館の解体について報告があり、委員から、不登校児童に対する支援について、ゾーン30プラス整備の検討について、エッセル堤の改修予定についてなどの質疑がありました。
坂井市 市議会「令和6年第1回定例会(第5号) 本文 2024-03-25」
上記の議事録をはじめ、具体的な閉館理由について言及しているものは見つかりませんでした。2024年3月25日の上記の議事録よりひとつ前で言及された丸岡歴史民俗資料館に関する議事録は以下の内容でした。
南川直人議員:…中略… 2番目、発掘調査などから検出された遺物などはどのように保管され、研究、分析されているのでしょうか。龍翔館や丸岡城資料館などでさらに詳しく公開展示されるべきではないでしょうか。
…中略…
川元教育長:次に、発掘調査などから検出された遺物などはどのように保管され、研究、分析されているのか、龍翔館や丸岡城資料館などで公開展示されるべきではないかの御質問にお答えをいたします。
遺跡の発掘調査によって出土した遺物は、公開展示したり、報告書にまとめて刊行したりすることで、その成果を市民に還元することが求められています。
調査で収集した遺物は、泥などを洗浄し、出土場所などを遺物1点ごとに記載し、可能な範囲で接合や復元等を行って、ようやく展示可能な状態になります。さらに、遺物の実測図作成、写真撮影、調査図面の整理を行いながら、必要に応じて、類似遺跡との比較検討を行って報告書の原稿にまとめていく作業があります。
現在、本市の発掘調査によって収集した遺物は、何と長さ40センチ、幅55センチメートル、深さ20センチの、これぐらいの箱ですね、これが2,500箱ありまして、専門の収蔵施設がないため、それぞれ市有施設で分散保管をしているところであります。
公開展示していくためには、資料を整理し、活用できる状態に整える必要があり、国史跡六呂瀬山古墳群や丸岡城跡の整備に向けて取り組んでいくためにも、これまで以上に発掘調査で出土した資料を整理し公開するための施設が必要であると考えております。
現在の丸岡歴史民俗資料館ではそういった機能が備わっておらず、埋蔵文化財の保存整理と公開活用の施設が重要であると考えておりますが、その整備には多額の予算と期間を要することから、今後、検討してまいりたいと考えています。
坂井市 市議会議事録「令和3年第1回定例会(第3号) 本文 2021-03-09」
上記の議事録が2021年3月9日のものであり、施設の整備に多額の予算と期間を要することが言及されています。これ以降、閉館のニュースの時点(2024年8月)までに市議会での議事録が見つからなかったため、おそらく上記の理由によって閉館が決まってしまったのではないかと予想されます。
閉館情報データベースとは?
路上博物館の独自調査によって日本のミュージアムの閉館件数が増加している可能性が高いことがわかりました。このような「誰にも注目されずひっそりと閉館が進む状況」を「サイレント閉館」と名付け、より多くの人々がこの状況に気づくきっかけを作ることを目指すプロジェクトを立ち上げました。
「閉館ミュージアム情報データベース」はこの調査の過程で発見した全国のミュージアムの閉館情報について収集・公開することを目的としたものです。なぜ閉館したのか?や閉館の背景について調べることで、今後の閉館対策への道筋を探すことや、そもそも私たちの社会における「ミュージアム」の存在意義について社会の人々と共に考えるきっかけを作っていけたらと思っています。
※ミュージアム:博物館、美術館、水族館、動物園、植物園、科学館、資料館などの施設
より具体的な調査のためのクラウドファンディング・寄付募集中
本調査を推進するための資金を集めるためにクラウドファンディングに挑戦しています。期間は2024年11月22日から同年12月25日までです。以下のページからご寄付いただけます。
ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします。
お問合せ
ご寄付についてや掲載情報についてのお問合せは以下のお問合せフォームよりお願いいたします。